出版のお知らせ
2年前から大学院のゼミメンバーで研究してきた集大成として、
11月末(予定)に東京大学出版会より本が出版されます。
まだ表紙デザインが最終決定されていないそうですが、
タイトルは
「障害児の共生教育運動 ~養護学校義務化反対をめぐる教育思想~」
私は第14章を担当しています。
裏話も含めてまたどこかで語りたいくらい、
この章を書くのには大変なエネルギーを要しました。
何度も辞めようと思い、諦めそうになり、
周りの人に支えられながら書いてきました。
「普通教育」と「特別支援教育」を“分ける”ことの意味…。
「共生」という言葉が持っている分けられている前提の社会構造。
(こちらの目次を見てもらえたら分かるかと思いますが…)
私自身がこれらの考えに触れたのが大学院に入ってからでしたし、
当初は中々思想そのものを理解することができずに、葛藤した記憶があります。
「歴史から学ぶ」
「歴史から現在の課題と向き合う」
そういった姿勢も初めてだったから。
私が養護教諭としてやってきたことは何だったんだ…と。
私が養護教諭としてやってきたことは本当に子どもたちのためだったのか…と。
しばらくはゼミの内容が受け入れられず、
毎回ゼミに出ると自分が責められている気がして、
帰宅しては落ち込んで。
そんな日々を過ごしたことを思い出します。
大学院に進学した当初の私は、
自分がしてきたことに対して本当の意味で疑ったことがなく
(もちろん反省したことは多々ありますが)、
養護教諭の「枠」を疑うことがあったとしても、
自分がもまれてきた「学校」という「枠」そのものについて考えたことがありませんでした。
教育について考えることはあっても、
その時に「学校制度」ありきの舞台で考えてしまっていた私にとって、
大学院に進学して一番の衝撃は、
この本に書かれているようなことが過去に実際に起こっていた、ということ。
だからきっと、
この本に書かれていることを
素直に受け入れられない人がいることも事実だと思います。
ただ、
そういった意味で皆さんに新しい切り口で「学校」
「時代が違うんだし」
「そうはいってもやっぱり…」
そんな風に感じることそのものをまずは受け止め、
その先にある大事なものを一緒に見つけることができたら幸いです。
(正直に書けば、執筆してもなお、私の中で解消しえないものがあるのも事実ですから。)
ただし…専門書ということもあり中々の値段 苦笑
(これでも教授は値下げ交渉をしたそうな…)
どこかで見かけたらお手に取ってパラパラと…
*書籍の詳細はこちら。
2019年10月17日